
ペルーの国情報と感想はこちらから!
http://www.world-moment.com/kunibetsu/s-america.html#pel
夜間はイロハ坂を想像させる山道をひた走り、結局のところ午前9時 標高3400メートルのクスコに到着した。バスの中で20時間を過ごしたことになる。クルス・デル・スル社のサービスは上々で飛行機の機内食のような夕食と朝食をいただいた。
クスコは16世紀にスペインによって植民地化される以前には大インカ帝国の首都が置かれていたところである。どういえばいいのかなぁ。スペインの植民都市はこれまで多く訪れてきたけれども、ほとんどはスペイン征服以前の建築物を破壊しつくした上で 徹底的にキリスト教を布教し カテドラル(大教会)に代表されるようなスペイン的な建物を行い その他インフラを整備し いわゆるコロニアル(植民地的)な街を建設したものであった。誤解を恐れずに即物的に言えば、メキシコシティとガテマラシティそれからエクアドルのキト、ペルーのリマは良く似たつくりになっていて、最近訪れたばかりの街ではあるが例えば街の中央広場とカテドラルの写真を見せられても一瞬どれがどの街かわからないほどである。
しかしクスコは違う。確かにコロニアルな街である(植民都市なのだから当たり前だ)が、かの有名なこの地に対するスペインのコンキスタドール(征服者)の長 ピサロも大インカ帝国の首都の文化・建築物ともに一掃し尽くすことはできなかったのではなかろうか。
街にはいたるところにインカ時代に緻密な思慮のもとに精巧に組まれた剃刀の刃一枚通さないと言われる石組みが残る。石がパズルのようにピタッと組まれているため確かに一見して崩すことは容易ではないことが分かる。実際コンキスタドール達は崩すことをあきらめこの石組みの上に教会等を建てていった。
土台がインカのものだということは、街の区画や道の幅といったストラクチャもインカの考え方を受け継いだものに当然なるはずである。たぶんこういった理由でこれまで訪れたコロニアルな街とは一線を画す独特な街の雰囲気を形作っているに違いない(きちんと調べたわけではないので間違っていたらごめんなさい)。
文化面についても然り。ラッキーなことに私たちがクスコを訪れている間に南米三大祭の一つインティ・ライミ(太陽の祭り)が行われた。ちなみに三大祭にはリオのカーニバルも含まれることからもインティ・ライミの規模の大きさはご想像できよう。まさにペルー中からこの祭りに参加するため人々が集まる。
このインティ・ライミ、もともとはインカ時代に皇帝により主催された収穫祭であったようだ。現代においても各地域から参加したグループが各々異なる民族衣装を身にまとい冬至(北半球の日本ではこの時期夏至)までの約一週間 街の中心部をあるグループは大楽隊を引き連れ あるグループは大きなスピーカーを搭載した車を引きつれ 観衆の見守る中踊り歩いてゆく。 踊りのパターンも様々。やはりインカ伝統のダンスが多いが中には悪魔の踊りディアブラーダや、スペイン宣教者集団をコミカルに表現したものも。おっ、このグループは迫力があるなぁと思ってみていると、やはり比例して大きな歓声が上がる。
ここクスコには一週間以上滞在する予定だが、そういうわけで街歩きと祭を見学することに多くの時間を割いています。これが全く飽きない。高台から流れ行く雲のと空と街のコントラストをぼーっと眺めるのも、また民族衣装を身に纏ったおばちゃんとちょっとした話をするのも、どこぞの集団の長に「最高ですか?」と問われれば間違いなく「最高ですよ!」と答えると思います。
いやぁ、クスコはお勧めです。今まで旅したところでどこか一箇所あげろといわれたら、クスコかなぁ。
和食屋もあって比較的安くて美味しいし。毎日通ってます。
そういえば、和食屋での出来事。やはりこの時期日本からも多くの旅人がこの街を訪れるわけですが、ある日本人老夫婦がこの和食屋に入ってきてご主人が雑炊を注文しました。出てきた雑炊を見てクスコ人の店員にスペイン語と英語を織り交ぜて一言。
「おいおいこれが雑炊か?雑炊って言うものは80パーセントか90パーセントは米なんだよ」と。
これを聞いてホシノ家の二人は唖然・・・・・・
ちなみにこの前日ヨメさんが雑炊をおいしいおいしいと言って食べてました。たぶん米と出汁の比率は妥当なものだったと思います。少なくともヨメさんの作るホシノ家の雑炊と同じように見えました。
というか、地球の反対側に来て日本で食べてるのとほとんど同じ雑炊をリーズナブルな値段(12ソル=約420円くらい)で食べられることに感謝すべきではないでしょうか。勘ぐりすぎかもしれませんが、周りに俺は英語とスペイン語が話せるんだよと自慢したかったのかもしれません・・・・・それぐらいの英語とスペイン語ならホシノ家二人とも喋れます・・・・・・・いずれにしても美味しい和食をいただいたのに何だか悲しい気持ちになりました。
クスコではのんびり過ごしています。高地のため息苦しいけれども、ホテルも安いし快適だし、和食もあるし。26日にはマチュピチュに向かいます。
そうそうこの地(リマのバスターミナル含む)では、数名の日本人旅人から有益な情報をいただきました。この場を借りて感謝!

クスコのホテル情報
Arco Iris Hostal
ダブル 40ソル(通常料金50ソル、約$ 14.7)
シャワー・トイレ、TV(NHK World受信)付き。インターネット利用可能(日本語読み可能)。清潔な部屋と明るい中庭が快適で、2階の部屋からはクスコの夜景が見える。ただし、シャワーの電熱器によりたまに感電しそうになる・・。