2008年12月11日

バナーラス、インド(列車遅れ着いた先は混沌) by Hiroki

11月5日の夜中11時30分、ほぼ定刻通りに列車は出発した。目的地はバナーラス。今回も1等三段寝台。ちょっと贅沢やね。まぁ日本円に換算すれば650Km程進んで1450円だから日本とは比べ物にならん位安い。
でも長期間旅をしていると「日本円では○○円だから安いなぁ」とはならず、例えば「ミネラルウォーターが10ルピー だから、それと比較すると高いなぁ」って言う感覚になる。なもので「日本円に換算すれば」数十円を躍起になって値切っていたりする。数十円のために店のおっちゃんと私達と壮絶なバトルが繰り広げられるのです。

そんな感覚で言えば、この一等三段寝台はミネラルウォータ(1リットル)が70本も買えるわけで、決して安くは無い。インドの中産階級(からプチセレブ階級)の感覚もまぁそんなところだろうと思う。とそんなことを考えながら三段寝台の真ん中の段に横になっていると心地よい列車の揺れのなか眠気に襲われた。
気持ちよく寝ていると、体を揺すられ「ルクナウに着いたけど、お前降りないの?」というようなことを聞かれる。おいらの目的地はバラーナスだよぉ。気持ちよく寝てたのに・・・・。でもこういう親切は心が温かくなる。ルクナウは大きな街らしくここで殆どの乗客が下車した。
空はすっかり明るくなってる。眠い目をこすりつつ時計に目をやると午前9時。起き上がって地図を広げると・・・・・
「マジで!?」・・・…ルクナウってアーグラとバナーラスの中間くらいやん!この列車午後1時到着予定なんやけど、9時間走ってまだ半分。ってことはあと9時間かかるってことか???どんだけ遅れんねん。
で結局午後5時にバナーラス着。5時間遅れで到着。結局17時間の列車のたびとなってしまった。日本みたいに「遅れまして大変申し訳ございません」のアナウンス連呼も当然のごとく無く。何で遅れたのかなんてこの列車の運転手も分からないんじゃなかろうか?
まぁ着いたんだからいいか。
駅から出るとリクシャ(オート三輪タクシー)のおやじ達に囲まれる。駅で外国人を執拗に勧誘しようとするリキシャなんてろくなもんじゃない。毎度のごとくとりあえず駅から離れ、その辺に停まってたリキシャと交渉しガンジス川沿いの目当ての安宿へ。
そう、このバナーラスはガンジス川沿いの街なのです。しかもヒンドゥ世界では最大の聖地。熱心なヒンドゥ教徒は一度でもこの聖地を訪れガンジス川で沐浴することを願い、この川で沐浴したならば全ての罪が清められるという。さらに死して遺灰がこの川に流されれば輪廻からの解脱が得られるということだ。
そんな街バナーラスはどんな感じなのかなぁ・・・どう言ったらいいのか・・・・。ガンジス川沿いの街並みは日本の感覚からすれば有り得ないくらい汚い。大通りが一本ガンジス川に対して垂直にのびている(この道はガンジス川で行き止る)。この大通りから車の通れないような小道が行く筋もでていて、この小道はとても碁盤の目と呼べるような代物では無く、まるで迷路。うじゃうじゃ〜っと曲がりくねってたりする。そんな大通りや小道を闊歩する人・人・人。それから牛。この牛が無神経極まりなく、道の真ん中にドデ〜ンとあほっ顔で座っていたりする。ハッキリ言って邪魔くさい。たまに「グゴォ〜」とかってゲップもしやがるし。ヒンドゥ世界では牛は神様なんだよなぁ。だからこんなに我が物顔で街の中をほっつき歩いてるんだよなぁ・・・・(当然ヒンドゥ教徒は牛肉食べません)。かと思うと野菜売ってるおばちゃんが売り物の野菜を牛に食われたとかって強烈にシャウトしながら牛にパンチを喰らわせてたりする。牛は神様ちゃうのか〜!? 神様といえば猿も神様。このおサル様も街の中に大量出没。たまに洗濯物らしきものを抱えていたり・・・。犬は神様かどうか知らんがこいつらも相当数が街中に。道の真ん中でウ○コをするのにプルプル震えてたりする。道の真ん中でするなよ。それから何を見かけたかなぁ・・・ヤギ、鼠、ヤモリ、鳥・・・そんなもんかな。
とにかくこいつらがありとあらゆる路地に出没。この街で生活している。そして三大欲求を満たそうとどの畜生も必死だ。道端で眠る犬、果物屋を襲撃する猿、街中で糞尿を垂流す牛。それから物乞い、祈る人々、物売りの声、ボートの客引き、無数にある寺院の金の音、祈りの声、1日中死者を焼くためにあがる煙。これらが渾然一体となった街。混沌って言うのはこういうことを言うのかなぁ。
おいらはインドを訪れると殆ど毎度ここに来る。北インドを凝縮したような魅力がこの街にはあるからだ。
なんなんやろうね。世界を4分の3周旅してきたけどシステム化された日本社会の対極にあるのがこのバナーラスという街のような気がする。でもそんなことバラーナス人に言ったら怒られると思うけど。でもシステムがあるにせよ日本的なシステムとは全然違う。どう書いていいのか分からないけど。とにかく混沌とした中でいろんなものが活きている。いろんな物が生まれ死んで行く。「混沌」がキーワードかもしれない。
そんなバナーラスで私たちがどんな生活を送っていたかはまた次回。

ガンジス↓
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牛↓
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沐浴する人々↓
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バナーラスのホテル情報
Luxmi Guest House ラクシュミー・ゲストハウス ダブル Rs 350(約700円) ホットシャワー・トイレ付。4階と5階が改装してあってきれい。ガンジス川の見える部屋に宿泊。屋上にはレストランがありガンジス川が臨める。

posted by HOSHINO at 00:00| Comment(0) | 26 インド India
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