ビルガンジではバスを下された場所から国境まで夜明け前の真っ暗な道をひたすら歩いた。リキシャを捕まえればよかったのだが、早朝からかなりの額を吹っかけられてそれに乗るのも嫌だったし、交渉して負けて貰うのも本当に面倒だったのだ。辺りは何にもない平地?だったのかな・・真っ暗の道と時々通り過ぎるリキシャが今でも鮮明に記憶に残っている。
そんなに複雑な道じゃないんだけど・・ほんと良く国境まで辿り着いたな〜って思う。
そこで無事国境越え。気づけば周りは明るくなっていて・・バスに乗ったのはなんと朝の8時だったらしい。それからまたぼろいバスに乗ってパトナーを目指す。いや〜窓がしっかり閉まらなくて埃はすごいし、シートも全然クッションがへたってるし、始終ぐったりしていたような気がする。
日暮れ前にパトナーに到着。宿探しにパトナー駅方面へ歩いて行くと路上生活者が歩道で夕食の支度をしていた。それぞれ何かを火にかけてぐつぐつしたり、野菜を切ったり・・普通にそれは行われていた。数百メートルに渡って何十人も。パトナーはインドで1番貧乏な州の州都らしい。それだけその日を暮らしていくことも大変な人々がいるわけだ。
パトナーにはこれといって用事があったわけではなく、ただ通過点として2泊するだけのつもりだった。特に観光する場所もないし。そして出発の夜、トラブルは起きた。
次の街、コルカタへ向かうため、夜行電車に乗り込む時、乗車のどたばたの中で旦那さんの荷物が一つなくなったのだ。いつも念には念を入れていたのだが、、。カメラ1台とノートパソコン2台。。今思い出しても本当に悔しい。駅構内は他のインドの駅同様、床に足の踏み場もないくらい沢山の人々が座って電車を待っている。その時から目をつけられていたのかもしれない。そういえば外国人はほとんど見かけなかったから。私たちの荷物は9カ月も旅していたけれど、十分きれいだったし、高価そうに見えなくもない。沢山のインド人の中でたった二人の日本人はすごく目立っていたに違いない。
そういう訳で旅中初めてのトラブルに見舞われ、電車はコルカタへ到着したのだった。なんとも苦い思い出のある街になってしまったなと思う。

あと2カ国で世界一周の旅も終りというところでのトラブル、気が引き締まる出来事でした。とはいえ、大きなけがや病気に見舞われることもなく旅ができたので、これくらいで済んで本当によかったと今では思う。